明治時代に、医師として政治家として名を知られた後藤新平の最期の言葉です。 「財を残すは下。されど財なくんば事業保ち難く。事業を残すは中。事業なくんば人育ち難し。人を残すは上なり。」 つまり、「財」「事業」「人」の3つの連動が大切と説いているのです。 これらを効率的に機能させる為に必要なのが「技」になります。   2 「技」(ア)売れる技術   歯科医師の方なら当然ご存知でしょうが、一口に歯科医療技術と言っても様々な症状に応じて、数多くの治療方法が存在します。高額治療費になる審美歯科から軽微な歯肉炎まで望む症状と治療法は実にバリエーションに富んでいます。 そんな中、歯科医療において、患者様が望む技術とは何でしょうか? 患者様の多くは痛み等の不快な症状の改善を求めて来院されます。この方たちが望むのは出来るだけ早く症状を改善して貰う事、そして出来るだけ安く治療を完了するになります。これらの患者様の求めに応えるには、治療のオプションの充実、適切な治療方法を見つける為の的確な診断、治療方法の選択肢の提示が特に必要と考えていまます。 患者様の求めに沿った適切な治療手段が売れる技術なのです。 これらのの要望は、知己や性別、年齢、治療時期、地域によって大きく変化してきます。 例えば、年齢層の高い人口過疎地帯では、早く見た目を治す技術よりも早く食べられるようになる技術のほうが重宝されるのは明白な事実です。 市場によって求められる商品が変化してくるのは経済原理とも言えるのです。だかららこそ、売れる技術が何かを知るマーケティングが必要になってくるのです。   2 「技」(イ)惹きつける技術   リーダーとしての院長に必要にされる要素の一つに、スタッフからの信頼を得る事が挙げられます。 院長自身の医療技術を背中でスタッフに伝えて、より理解を得る事が良いチーム作りに欠かせないのです。優れたスタッフは尊敬できる院長を求めます。スタッフを惹きつける技術が医院全体の推進力になっていくと言っても良いのです。 この為には、医院での労働条件の整備とともに、充実した設備投資や自己研鑽の機会を設ける事も当然必要になってきます。 患者を魅了する医院を築くには「良いチーム作り」が必要であり、その構成要素であるスタッフを惹き付ける魅力的な技術が医院に備わっていなくてはなりません   2「技」(ウ)お金になる技術   歯科医院経営は医療と同時に一般企業と同じく収益を目的とする事業でもあります。医療行為により発生する妥当な医療報酬によって、医院の維持費やスタッフへの給与支払いを捻出しているのは一般企業と何ら変わりはありません。この経営を円滑に支える為にはスタッフの優れた技術が不可欠ですが、それは何も高額な自費診療だけを意味していません。 歯科医療において不適切な治療を行うと後になって患者様から必ずクレームが来ます。その場合には追加の治療費を請求しないで再度治療をやり直す事になりますが、これは医院としては絶対に避けなければならないケースなのです。前述の「お金になる技術」とは反対の「お金にならない技術」になるからです。これが原因で患者様が医院変えをしたなら経営上の損失は計り知れません。また、もしもを考えて、保険や設備に投資することは利益の圧迫に他なりません。 「ミスなく確実に迅速に、そして収益性を考えて」これが歯科治療における「お金になる技術」ではないでしょうか。